秩父鉄道でのSL運行が始まってから約30年が経過していて、秩父観光の目玉のひとつとなっているSLパレオエクスプレス。
東京都心から一番近くで乗ることが出来る蒸気機関車です。
ここでは、SLパレオエクスプレスの料金・予約方法から、実際に乗ってみた感想や見どころなど徹底紹介していきます。
2023年の運行状況が発表されたましたら更新いたします
この記事の目次
SLパレオエクスプレスとは
SLパレオエクスプレスとは、秩父鉄道で毎年3月から12月まで運行される蒸気機関車です。秩父地方に1300万年くらい前まで生きていた海獣パレオパラドキシアの「パレオ」と、「エクスプレス(急行)」を組み合わせて「パレオエクスプレス」と名づけられました。
ちなみにパレオパラドキシアの骨格は、長瀞の埼玉県立自然の博物館で見ることができます。長瀞駅を下車して徒歩約10分の所にあり、中学生以下は入場無料です。
パレオエクスプレスの車両番号は「C58363」、1944年(昭和19年)に川崎で製造され、現役時代は東北を中心に走っていました。
1972年(昭和47年)に一度現役引退しましたが、1988年(昭和63年)に秩父鉄道で復活し、観光列車として現在も走り続けています。
停車中は運転席の中も見ることができます。
運転席の後ろには、燃料の石炭が大量に積まれています。
客車は茶系色のレトロな雰囲気です。
SLの路線図・停車駅
路線図と停車駅
SLパレオエクスプレスは、埼玉県熊谷市の熊谷駅と、埼玉県秩父市の三峰口駅の間の約57kmを約2時間半かけて走ります。
停車駅は始発駅を含めて全部で8駅です。必ず始発駅から終点駅まで乗る必要はなく、乗車駅と降車駅は自由に選ぶことができます。
パレオエクスプレス停車駅
- 熊谷駅(埼玉県熊谷市)
- ふかや花園(埼玉県深谷市)
- 寄居駅(埼玉県大里郡寄居町)
- 長瀞駅(埼玉県秩父郡長瀞町)
- 皆野駅(埼玉県秩父郡皆野町)
- 秩父駅(埼玉県秩父市)
- 御花畑駅(埼玉県秩父市)
- 三峰口駅(埼玉県秩父市)
※どの駅でも乗降可能です
2022年SLの運転スケジュールと時刻表
2021年 2/13(土)から運行開始!
- 2022年3月19日(土)~12月4日(日)までの土日祝日を中心に運転
毎年の運行予定は、熊谷駅から三峰口駅を1日1往復のみで、3月~12月までの主に土曜・日曜日・祝日のみです。夏休み期間中の8月や、秋の10月と11月は平日にも運行しています。
運転時刻表
※2022年10月1日以降から、土曜・休日、平日ともに同じ時刻での運行となりました!
ゆき熊谷→三峰口 | SL停車駅 | かえり三峰口→熊谷 |
---|---|---|
10:15発 | 熊谷 | 16:20着 |
(10:42着) 10:43発 |
ふかや花園 |
15:53発 (15:52着) |
(10:55着) 11:07発 |
寄居 |
15:41発 (15:37着) |
(11:33着) 11:42発 |
長瀞 |
15:13発 (15:07着) |
(11:54着) 11:55発 |
皆野 |
14:57発 (14:55着) |
(12:12着) 12:20発 |
秩父 |
14:39発 (14:36着) |
(12:22着) 12:24発 |
御花畑 |
14:33発 (14:31着) |
12:54着 | 三峰口 | 14:05発 |
指定席・自由席の料金・予約方法とフリーパス
SL乗車券料金
- 指定席・・・片道740円(大人子供同額)
- 自由席・・・片道520円(大人子供同額) ※2021年は指定席のみ販売
- Web予約・・・秩父鉄道SL予約システム
※SL乗車券とは別に乗車区間の普通乗車券も必要です。秩父鉄道全線を乗り降り自由な「秩父路遊々フリーきっぷ大人1,470円(小児740円)」がおすすめです。
SLパレオエクスプレスの客車は4両編成で全席禁煙です。冷暖房完備ですが、窓を開けることは可能です。
SL乗車券の予約は秩父鉄道SL予約システム(会員登録が必要)からWebサイトで行えます。
予約は運行日の1ヶ月前~出発30分前までの間で予約が可能です。
指定券は小学生以上から必要になります。
SL乗車券に加えて普通乗車券も必要になりますので、SL以外の電車にも乗り降り自由な、「秩父路遊々フリーきっぷ」もあわせて購入することをおすすめします。
秩父路遊々フリーきっぷは、大人1,470円(小児740円)で秩父鉄道全線を乗り降り自由です。
個人的おすすめは乗車しながら先頭のSL機関車を見ることができる、後ろの方の車両です。
御花畑駅~三峰口駅の間はカーブも多く、乗車しながらSLをじっくり見ることができます。
車内の雰囲気と座席
パレオエクスプレスの車内は、木目調で、細部も茶系色で統一されていて昭和レトロな雰囲気です。
座席はクラシカルなワインレッドの4人掛けのボックスシートです。
また、始発から終点駅まで乗ると2時間半と長旅なので、2両目と3両目にトイレがあります。
車内販売のSL弁当や石炭あられとグッズ
熊谷駅発の三峰口駅行きのパレオエクスプレスは、お昼の時間帯をまたいで運行しています。車内販売が回ってきますので、SL弁当やアイスなどを購入して食べることができます。
車内で購入できるお弁当は、こちらのSLべんとう1,000円のみです。のりの形や具材を仕切る緑色のバランがSLの形をしています。
お弁当以外の食べ物ですと、アイスクリームやジュースも購入できますが、おすすめはSLの車内でしか購入できない「SL石炭あられ」です。
中身を開けると石炭そっくりのあられがでてきます。竹炭が練り込まれているので見た目は石炭そのものですが、しょうゆ味のあられせんべいで美味しいです。
他にも、SLグッズのSL汽笛ぶえ400円や、SLチョロQ1,000円なども車内販売で購入することができます。
実際に乗ってみた口コミレビューと見どころ
今回は熊谷駅から三峰口駅まで乗ってみました。後ろの方の車両に乗りたかった為、指定席ではなく自由席をWEB予約しました。
見どころを交えながら紹介していきます。
熊谷駅から武川駅まで(※2022/10/1以降、武川駅は通過駅となっています)
※2022年10月1日(土)のダイヤ改正により、武川駅は通過駅となり、変わりに「ふかや花園駅」が停車駅となっていますのでご注意ください。記事では、ダイヤ改正前の停車駅「武川駅」で執筆しています。
熊谷駅の改札でSL乗車券とフリーパスを購入してホームでSLが来るのを待ちます。自由席の場合は座れない可能性もあるので、少しだけ早めにホームに行って待っていた方が良いです。
私は出発の20分前くらいにホームに行って待っていました。すでに数人の人がホームで待っていましたが座ることができました。連休の際などはもう少し早めの方が良さそうです。
ホームで待っていると、出発の15分くらい前に客車側からバックでホームにSLパレオエクスプレスが入ってきます。
出発まで少し時間があるので、先頭の蒸気機関車をゆっくり撮影することも可能です。
定刻通りに熊谷駅を出発して最初の停車駅武川駅に向かいます。武川駅の少し手前で武甲山の石灰岩を運ぶ貨物列車が停車していました。
車内放送では、秩父出身の林家たい平さんが、見どころなどを案内してくれます。
20分くらいで武川駅到着です。武川駅での停車時間は約2分で、すぐに出発します。
武川駅から寄居駅まで(※2022/10/1以降、武川駅は通過駅となっています)
※2022年10月1日(土)のダイヤ改正により、武川駅は通過駅となり、変わりに「ふかや花園駅」が停車駅となっていますのでご注意ください。記事では、ダイヤ改正前の停車駅「武川駅」で執筆しています。
このあたりで最初の車内販売が回ってきますので、お弁当やグッズを買っておくことをおすすめします。この先でも車内販売は数回来てくれますが、お弁当などは早めに購入しないと売り切れてしまうこともあります。
武川駅から20分ほどで寄居駅に到着です。
寄居駅から長瀞駅まで
寄居駅過ぎると一気に自然豊かな景色に変わってきます。大きいカーブもでてくるので、走っている前の車両を見ることもできます。
車両の左側には、ライン下りで有名な荒川も見えてきます。
寄居駅から約25分で長瀞駅に到着です。ここで降りる方も多いので、自由席で座れていなかった方はここで座れるかもしれません。長瀞駅からSLに乗車する方も多いです。
長瀞は、ライン下りも有名ですが、天然記念物の岩畳や、ミシュランの1つ星にも選ばれた宝登山神社、また有名な天然かき氷の阿佐美冷蔵の店舗もあります。
長瀞駅では10分ほど停車しますので、じっくりと写真撮影をすることもできます。
長瀞駅から皆野駅まで
長瀞駅のすぐ脇の踏切にはたくさんのギャラリーがいます。
しばらく進むと荒川を渡る全長153mの荒川橋梁を通ります。見どころのひとつです。
乗車していない方のSL撮影スポットのひとつでもあり、気笛を多めにならすので、写真にも黒い煙が映っています。奥に見える橋は車などの通行の為の親鼻橋です。
荒川橋梁を渡ってしばらくすると皆野駅に到着です。皆野駅の停車は約1分。すぐに発車します。
皆野駅から秩父駅と御花畑駅まで
皆野駅を出発して、和同開珎で有名な和銅遺跡や銭神様の聖神社がある和銅黒谷駅を過ぎたあたりで、右手に秩父太平洋セメントの工場が見えてきます。
貨物列車もたくさん停まっています。
秩父太平洋セメントの工場を過ぎると間もなく秩父駅に到着します。
秩父駅でも約10分停車するので、SLとの記念撮影などをすることができます。
秩父駅の近くにはパワースポットの秩父神社があります。有名な秩父夜祭は秩父神社の例大祭です。
また、秩父神社の隣には秩父夜祭について詳しく知ることができる秩父まつり会館もあります。
少しの停車の後、秩父駅から隣の御花畑駅に向かいます。ここでも線路沿いにはギャラリーの方が沢山います。
秩父駅から御花畑駅は1kmも離れていないので、すぐに御花畑駅に到着します。
ゴールデンウィーク頃に見頃を迎える秩父の芝桜は、この御花畑駅が最寄り駅です。
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御花畑駅から三峰口駅まで
御花畑駅を出発するとすぐ左手に、西武鉄道の西武秩父駅が見えてきます。
西武秩父駅を過ぎると秩父のシンボル武甲山が見えます。
影森駅を過ぎたあたりからカーブが多くなるので、窓からSLを見やすくなります。
浦山口の駅を過ぎると、浦山川を渡る鉄橋があり川がよく見えます。
浦山川を渡った後も右側に大きなカーブがあるので窓からSLを見やすいです。
その後もいくつか鉄橋を渡って、三峰口駅に到着します。三峰口駅手前の右手には、SLを方向転換させる転車台が見えます。
SL転車台公園とSL転車台
三峰口駅に着くと、パレオエクスプレスは客車からすぐに切り離されて整備に入ります。三峰口駅から出て右手に進と、整備の様子を間近で見ることができます。
給水中のSLパレオエクスプレス。熊谷駅から三峰口駅までの片道で約10トンもの水が必要なので、ここでしっかりと給水します。
給水の他にも丁寧に整備を行います。
整備と給水が終わるのを待つ間に線路を渡って、SL転車台公園の方に行きましょう。
SL転車台公園は、鉄道車両公園の跡地を利用し2020年11月3日に新しく開園した公園になります。公園には、「三峰口駅」正面から向かって右側から行くことができます。(下記案内図参照)
SL転車台公園には、芝生が植えられ木のベンチが置かれているので、ゆっくりとSLパレオエクスプレスやSL転車台(SLの車両の方向を変える機械)を観覧することができますよ。
ちなみに終点「三峰口駅」に到着したSLパレオエクスプレスの転車作業は、13:20~13:30頃です。
整備と給水を終えたSLパレオエクスプレスが後ろ向きで転車台に入ってきて方向転換します。
SL転車台公園では、間近で最後までじっくりとSLを堪能することができますのでおすすめですよ!
以前のSL転車台公園
ちなみに以前は以下のような感じで車両が展示されてました。(※現在は観覧不可です)
まとめ
秩父鉄道SLパレオエクスプレスに実際に乗ってみた感想と、料金や予約方法を紹介してきました。
パレオエクスプレスは乗るだけではなく、見て、食べて楽しめます。
春には桜、夏には新緑、秋には紅葉など季節によっても景色が変わるので1年中楽しめます。ぜひ一度乗ってみてください!
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